我が家の次女は公立小学校、中学校を経て都立高校へ入学。その後私立4年制大学から看護師になりました。長女は薬剤師。次女は長女と違い勉強が苦手。大学では順位が後ろから2番目まで成績が下がったこともありました。
今だから言えますが「よくぞ合格してくれた!」の一言です。
現在看護師2年目の次女はバリバリ働き、がっつり稼いでいます。母子家庭はいろいろ大変。でも自立できれば母より稼ぎ、実家を頼ることもありません。
そんな勉強嫌いで移り気な次女が看護師になるまでを赤裸々にまとめました。
女の子が自立する手段として看護師国家資格はかなり有効
医療系の国家資格が有効なのはどこでも働くことができることです。社会人を経験したことのある方ならご存じの通り求人広告ではわからない職場の内部事情があります。
辞めても前職と同じ条件、またはもっといい条件で働けるのが看護職なんです。今の時代に職場を選べることができます。
いい職場に巡り合えるかは働いてみないとわかりませんよね?私は病院勤務が長かったこともあり、様々な医療職の方の意見を聞くことができました。一番需要の高い医療職は保健師だそうです。
次女も大学1年までは保健師を目指して選択科目も取っていましたが、自分が勉強が苦手でついていけないことに気付き、2年生になった頃保健師はあきらめることにしました。
我が家の次女はとにかく勉強嫌い。興味がないことはいくら頑張っても無理だということを本人が自覚しています。この自覚ができたことも重要でした。
自分は看護職に向いている。資格を取れば看護師として働ける!ここを本人がわかっていたからがんばれたと思います。
それから大事な給料面ですが、次女は大学生の時に私の勤め先である病院の病棟でアルバイトをしていました。看護助手として。
当初人手不足からすぐ働けること、私の親しくしている師長から看護師になりたいのであれば看護助手はいい経験となる、とアドバイスされたからです。
次女にとって最も心惹かれたのが給料面です。看護助手の時給が他のアルバイトより高かったから。これが決定打でした。不純な動機ですがきっかけがどうであれ、看護助手のアルバイトは本当にいい経験となりました。
この看護助手のバイトのおかげで、助手、准看護師、看護師、保健師の順で給料が違うことにも直面します。仕事は専門的なことがあるにしろ、大きく変わらないことも現場で学びました。また親しくなった仕事仲間の生の声を聞けたことも大きかったです。
ですが次女は大学の友人たちに「将来看護師として働くのになんで看護助手のバイトしてるの?」と散々言われたそうです。
看護師に向いているかいないかは、親が見極められる
看護師の仕事がどんなものか、素人の方でも大体想像できますよね。専門的知識はもちろんなのですが、病棟の看護師は患者の世話がほとんどです。もちろん日常的に行っていると慣れます。
私の経験と次女の話からまとめると下の世話、嘔吐物の処理、グロい傷の処理。これらは日常茶飯事です。こういうことに慣れることができるかということ。
参考までに長女はグロい傷がダメなタイプ。先端恐怖症で注射も苦手。小さいころから見ていて看護師は絶対無理だと思っていました。
それともうひとつ大事だと思うことが患者と寄り添えるかです。他の医療職と大きく違うのが一番患者と近い位置にいるということ。ひとが好きなタイプのが向いていると思います。
そういう意味で私自身次女は看護師に向いていると思っていました。あとは本人がその職業に興味を示すかです。
小さいころ次女がなりたかった職業は美容師、保育士、看護師でした。なので私は次女にお金を稼げる順番に直すと反対だよ、と言っていたんです。この私の言葉は次女はずっと覚えていました。
看護職を知ってもらうために母がしたこと
いくら親が向いていると思っても本人にその気がなくてはダメです。私は中学生の次女を夏休みに都立看護専門学校のオープンキャンパスに連れて行きました。
都立に入ってくれれば学費が安く、一番理想的に看護師になれると思ったからです。
この時の次女の感想は、案内してくれた方や一緒に見学した学生が自分のことを高校生だと思い話しかけられたと言っていました。あと赤ちゃんの人形を抱っこしたと。中学生だったせいか感想はそんなもので看護師の仕事に関しての発言は全くなかったです。
そして学校に対しての興味も全然なかったです。普通の学校だった、と言ってました。
次女が看護職に興味を持ったのが私の勤め先病院で行っていた看護体験です。病院で受け付けをしていて実際に看護師に付き添って仕事を体験できるというもの。当時病棟の看護師長に付き添いました。
私もよく知っている優しい師長さん。体験中に師長がいかなる時も的確に指示を出し、対応している姿をみて感動したそうです。「看護師になりたい!」と初めて言われました。
ここまでが中学生までの出来事。高校生になり、1年生からオープンキャンパスへ行きまくりました。看護師になりたいと本人が思ったなら、あとはどの学校へ行きたいかです。
オープンキャンパスへ連れていくことは必須です
親ができることって本人がやりたいことのサポートです。早いうちから連れていくことを強く勧めます。まだ何になりたいかよくわからなくてもとりあえずその子が好みそうな学科がある学校を選びましょう。
私の場合学費が安いという理由で家から一番近く、勤め先の病院にも一番就職している都立看護専門学校へ連れて行きましたが全然興味を示さずでした。
なので高校生からは看護学科のある、家から通える大学に連れて行きました。私立大学はご存じの通り規模が違います。次女は様々な大学を見学し、説明を聞き2年生の時に行った大学に衝撃を受け、看護師になりたい気持ちが固まりました。
実際に見せることは一番効果的です。看護大学と言ってもどの大学で刺激を受けるかは連れて行ってみないとわかりません。
ただ注意しないといけないのがオープンキャンパスは期間が大体決まっていること。夏休みは同じ日にいくつもの大学が行うためどこに行くかを予め決めて計画的に参加することが大事です。
人気の大学は予約制となっているところもあります。この辺の準備は親がやってあげたいです。いくつか見学すると子どももどこを見たいと自分から言ってきますが、それまでは親が準備し誘ってあげるとスムーズです。
友人同士で参加する子どももいます。ただ友人と行くと遊びの延長となってしまいがちなので親と行くことを勧めます。
オープンキャンパスのいいところは高校とは全然違う雰囲気をみられること、その学校の専門の先生がちょうどいい講演をしてくれること、在学生と触れ合えること、様々な体験授業を受けられること、学食が利用できること、大学のロゴが入ったおまけがもらえることです。
親である私も楽しめます。大学によっては学食を無料で提供してくれるところもありました。過去に行った大学でもらったもので一番多いいのが飲料水。夏休みは熱いのでほぼ100%ペットボトルくれます。
他にボールペンやタンブラー、メモ用紙などもらいました。
勉強が苦手な次女が苦戦したところ
我が家の次女の学力は結構低いです。勉強に興味が持てないからやらない、結果できないといったところです。
小学校から中学、高校2年まで成績は下から数えたほうが早かったです。
ですが高校2年の夏休みに行ったオープンキャンパスで運命の大学に出会いました。そこからその大学に入るために勉強を始めたんです。
自分の力だけでは無理とさとり、看護系の塾に行きたいと言い、塾では先生の指定までしました。その先生の授業を受けるためにかなり遠くまで行きました。
次女が初めて勉強に目覚めた瞬間でしたよ。成績は飛躍的に上がりました。でもね大学受験までに間に合わなかったんです。
高校2年生の夏からでは遅かったんです。行きたかった大学の推薦基準を満たせなかったからです。大学の推薦基準は1年生からの成績を見るため、最初の頃の不出来が足を引っ張ってしまいました。
ここで次女は選択を迫られます。推薦が無理なので一般試験で受験するか、他の大学の推薦入試を受けるかです。次女の心は一般入試に傾いていたのですが、2年前に大学一般入試を経験した薬学部姉に説得され、他大学の推薦入試を受けることにしました。
頑固一徹の次女だったので私は心配でたまらなかったですよ。一般では受からないと思っていたから。看護系は本当に人気です。偏差値なんてあてになりません。一般試験はかなり過酷です。
推薦だって他の学部と違い看護系の合格率は3割くらいだと思います。長女の説得で勉強嫌いの次女でも入れる可能性が高い大学を選ぶことができました。詳しくはこちらを読んでください。
看護大学に入って知ったレベルの高さ
看護学部、合格のための攻略を読んでくれたならわかると思いますが次女は自分の学力より高い大学に入ってしまいました。
なぜそう感じたかというと同級生がほとんど頭のいい高校出身者だったからです。そんな同級生が一般試験でここしか受からなかった、と口をそろえて言ったもんだから次女は入学早々ビビってました。
なんだかんだ言っても試験ではそれなりの成績をとる子たちばかり。それでも看護の勉強は高校までの勉強とちょっと違います。専門的なことを一から学ぶから。でも基礎はできていたほうがいいですが。
がんばって勉強をしてもついていくのがやっとだということに気付いた次女は1年生の間に自信を無くしました。それで保健師を諦めたんです。
先にも述べた通り、一番悪かった時はビリから2番目。成績が悪すぎて赤点取ったこともあり、学校から追試がダメなら留年と宣告されたこともありました。
あと奨学金を借りている機構からもこんな成績では次の奨学金通らないよ、という文章もきましたね。
成績が悪くても学校は無遅刻無欠席を誇っている次女。あとはすれすれでも単位を落とさず国家試験に合格できればいいということを改めて話し合いました。
大学生活中何回もボロボロになりました
4年間の大学生活中次女の心が折れて、「やめたい!」と泣き叫ぶことが何回かありました。親としてもそんな姿を見ることが辛かったです。
過去に見たことないくらい泣いていましたし、やめたい!ママのせいだ!と私に当たり散らしていました。でも少しは想定していたこと。
やめていいよと言えず、がんばれとも言えなかったです。
私は、本当にどうしたいのか自分で考えろとちょっと突き放したことを言いました。今は興奮しているからもう少し落ち着いてからよく考えろと。
考えた結果どうしても辞めたいなら仕方ない、自分の人生だから。看護師を目指すことをやめて他の大学に行くのか、学ぶことを辞めて就職するのか自分で考えるしかないって言いました。
キツイことはわかってましたが本当のことを言うことにしたんです。甘やかすことがいいことと思えなかったから。
次女自身も辞めたくて言っているのではなかったんです。よしよしって抱きしめてあげたほうがよかったのかわかりません。
ただその後はまた普通にもどりました。割とすぐに。本当に私も泣く思いでした。
4年生の時の模擬試験の結果と国家試験について
大学4年生になると国家試験に向けて模擬試験が定期的に行われます。
結論から言っちゃうと、次女は国家試験までのすべての模擬試験で合格基準に達したことは1回もありませんでした。全部不合格ライン。
これ私も次女が看護師1年目の相当時間が経ってから聞きました。本人から。
次女曰く、勉強してもしても全く歯が立たなかったそうです。そして私に言えなかったみたい。この時私も前回の模試の結果どうだった?と聞いていました。でも次女から悪かったとまだ結果返ってきていない(ウソ)の返事をされていたためそれ以上聞かなかったんです。
国家試験が迫ってくるとプレッシャーをかけたくないこともあり、聞けなくなっちゃうんです。我が家は長女と次女が同時受験だったので私は生きた心地のしない1年でした。
あとでこの告白を聞き、当時知らなくてよかったと思いました。次女自身がわかっていることだから親がいろいろ言って変わるわけではないのです。むしろ私が口うるさく聞いていたらもっと悪い結果になっていたかもしれません。
次女は勉強しても無駄だと思った母性と小児を捨てたそうです。意外でした。子どもも赤ちゃんも好きなのに。こんな彼女の決断が合格につながったのかも。
そして国家試験ですが次女が受けたのは第111回です。この年の合格基準点は167点。次女は176点でした。この年は問題が簡単だった年です。同級生たちは皆200点以上だったそう。
看護師国家試験の基準点や最近の傾向などはたくさんのいいサイトがあるので検索してみてください。
試験終了後に各自自己採点をします。そして何点取れたかを学校に報告するんです。この自己採点で次女は私に多分178点くらいと言いました。まあほぼ申告通り。
そして私は自分なりに分析しました。過去10年の平均は154点。前回の第110回は159点。どんなに問題が簡単だったとしても170点台にはならないだろうと。
もし次女が160点台だったら合格発表までの約1ヶ月は地獄だったと思います。
まとめ
いかがでしたか?我が家の次女体験談を赤裸々に告白させていただきました。私自身こんな生の声が聞きたいと思っていたので今回ブログにまとめてみました。
看護師の国家試験は他の試験と比べて合格率が高いです。簡単な方だと言われています。勉強が苦手でも受かっている方が多いということを励みにしていました。
でも次女は看護助手のバイトで看護師の先輩方に「私が受かったから大丈夫」と散々言われたらしいです。これがものすごいプレッシャーになったと言っていました。
まあ終わってしまえば私も「うちの次女が受かったから大丈夫」と言ってしまいそうです。
それからもうひとつ、次女が言うには4年間あったからついてこれたらしいです。3年制の専門学校に行っていたら無理だったと。
専門学校ってとにかく実習がすごいですよね。大学の実習は少ないです。同じ国家試験を目指して勉強することは変わらないので3年間でそれを終わらせる専門学校ってすごいかも。
もしこれから看護師になろうとしている方がいたら参考にしてください。
暁のぞみでした。